韓国特使団訪朝 北朝鮮側の報道では米国無視して南北経済協力を進める!と読み取れる

韓国特使団の訪朝ですが、めずらしく迅速に報道されたようです。

よほど北朝鮮にとって都合の良い会談だったのか、もしくは米韓分断を狙って「米国を無視して南北は勝手に進んでいくぞ」という情報工作のどちらかか、もしくはその両方でしょう。

 

最高指導者金正恩同志が南朝鮮の文在寅大統領の特使代表団員に接見

【平壌9月6日発朝鮮中央通信】朝鮮労働党委員長で朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長、朝鮮人民軍最高司令官であるわが党と国家、軍隊の最高指導者金正恩同志が9月5日、朝鮮労働党中央委員会の本部庁舎で平壌を訪問した南朝鮮の文在寅大統領の特使代表団員に接見した。

敬愛する最高指導者金正恩同志は、文在寅大統領の特使代表団として平壌を訪問した青瓦台国家安保室の鄭義溶室長と国家情報院の徐薫院長、統一部の千海成次官、国家情報院の金相均次長、青瓦台国政企画状況室の尹建永室長を温かく迎えて彼らの平壌訪問を熱烈に歓迎した。

朝鮮労働党中央委員会の金英哲副委員長が陪席した。

敬愛する最高指導者同志は、特使代表団員と共に記念写真を撮った。

特使代表団員は、敬愛する最高指導者同志が国事のためたいへん多忙な中でも、自分らをこのようにいち早く温かく迎えてくれることに心からの感謝のあいさつをした。

席上、特使である青瓦台国家安保室の鄭義溶室長が敬愛する最高指導者同志に寄せた文在寅大統領の親書を丁重に伝達した。

いつもながら前置きが長い。そして恩着せがましい(笑)

で、次からが問題。

敬愛する最高指導者同志は文在寅大統領の親書を読んで、大統領が北南関係の新たな進展を評価しながら、今後も多くの挑戦を英知でもって克服し、わが民族の明るい未来を開こうとする固い意志を披瀝(ひれき)した立派な親書を送ってくれたことに謝意を表すると共に、大統領の決心を全的に支持し、共感する、自身も民族の前に担った使命と期待を忘れず力いっぱい努力してわが同胞に一日も早くより良い結実を与える決心に変わりがないことと、この機会を借りて大統領に送る自身の温かいあいさつを伝えてくれることを頼んだ。

敬愛する最高指導者同志は、文在寅大統領と手を取り合って共に苦心して模索し、傾けた真しな努力と果敢な決断によって今年に誰も予測できなかった劇的な瞬間を作り出し、良好な合意を成し遂げたことで、長い歳月歪んでいた悲劇的な北南関係を正し、民族の和解と平和に向けた意義ある立派な成果を収めたことについて誇らしく思うと述べた。

いつも通り「わが民族同士」を猛プッシュ。

外勢を排除して俺たちだけで仲良くやろうぜ!という意思表示でしょう。

敬愛する最高指導者同志はまた、史上初めて開かれた朝米首脳の対面のために文在寅大統領が尽くした誠心と労苦を高く評価し、いつもありがたく思っていると述べた。

敬愛する最高指導者同志は、歴史的な板門店(パンムンジョム)対面以後、北南間に多様な分野での実務接触が行われ、離散家族、親戚の面会が実現したし、北南軍事会談と共同連絡事務所の開設事業がスムーズに運ばれていることについて喜ばしく思うと述べ、今後、北と南が手を取り合って収めたこんにちのこれら全ての成果を大切にし、新たな平和の軌道、和解・協力の軌道に確固と乗った北南関係を引き続き脱線することなく真っ直ぐつないでいかなければならないと語った。

「共同連絡事務所の開設事業がスムーズに運ばれている」そうです。

「制裁違反疑惑」を持ち出して邪魔している米国はけしからん!というメッセージでしょうね。

連絡事務所開設について、北から反応がないのが開設のネックだと思ってましたが違うのか?もし韓国側からの連絡無視して開設遅らせているのにこのセリフ言ったとしたら、ふざけんな!って感じですね。

敬愛する最高指導者同志は、特使代表団一行と9月中に予定されている平壌首脳対面に関連する日程と議題について幅広い意見を交換し、満足な合意を見た。

「平壌首脳対面に関連する日程と議題について幅広い意見を交換し、満足な合意」

気になりますね。議題は何かぜひ知りたいところです。

南北連結鉄道、開城工業団地再開、金剛山観光再開、人道支援etc.

制裁違反に触れそうな敏感な問題のオンパレードな気がします。

まさか「非核化」がないなんてないよね?と思いたいですが。。。

また、北南関係を引き続き加速的に発展させ、朝鮮半島の平和と安定を保障するうえでの多くの問題について虚心坦懐の談話をした。

これも、考えに乖離がある気がします。

北朝鮮の言う「朝鮮半島の平和と安定を保障」は、制裁緩和であり、南が北に経済交流という名目で外貨を流すことでしょう。そのためにも南北連結鉄道、開城工業団地再開、金剛山観光再開、人道支援を進めてくれ、制裁違反はお前がなんとかしろ、というのが北朝鮮から韓国への要求です。

周辺国は「朝鮮半島の平和と安定を保障」=「非核化」なんですが、北朝鮮はそう思ってはいない。

敬愛する最高指導者同志は、朝鮮半島で武力衝突の危険と戦争の恐怖を完全に取り除き、この地を核兵器も、核脅威もない平和の地盤につくるというのがわれわれの確固たる立場であり、自身の意志であると非核化の意志を重ねて確約し、朝鮮半島の非核化実現のために北と南がより積極的に努力していこうと述べた。

敬愛する最高指導者同志と文在寅大統領の特使代表団間の談話は、同胞愛的で温かい雰囲気の中で行われた。---

「非核化の意思はある」

いつも通りです。

金正日も言ってましたよ。「核開発なんてしない」と

金大中はそれを無邪気に信じ、「金正日総書記は核を開発したことも開発能力もない。われわれが北朝鮮に支援したお金が核開発に利用されるという話は根拠がないデマだ。金正日が核を開発したら私が責任をもつ」なんて豪語しておりました。

結果は、北朝鮮の核武装を指をくわえて見送るという大失敗。

同じことを繰り返しそうです。

特に「非核化」のために、「北と南がより積極的に努力」していこうという呼びかけが危険極まりない。

没交渉の米国は放置して、こっち側に来いよ~!という危険なお誘いにしか聞こえません。

北朝鮮はまず間違いなく努力なんてしない。努力を要求されるのは韓国側です。制裁違反の例外を必死に米国に願い出て、南北連結鉄道、開城工業団地再開、金剛山韓国、人道支援、文化交流、人的交流を南北で進めるために必死で韓国が努力せよ、ということです。

北朝鮮側がやるべき努力は「信頼性のある核リストの提出と、日付きの核廃棄ロードマップの提示と、外部の専門家による査察団の全面的な受け入れ」です。

もちろんやる気ゼロ。

中国が制裁を緩めてくれて、韓国が米国の軍事進攻を防いでくれる限り、北朝鮮側が何か有意義なアクションを起こすとは思えません。

その状態で非核化する必要性がありませんからね。

まだ日本語翻訳は出ていませんが、Google翻訳で特使団の報告会見での一問一答を読む限り、「俺(北)はこれ以上非核化について努力しない。今までやったプンゲリ爆破とかミサイル発射台撤去の成果でお前(韓国)が米国を説得しろ。説得が無理なら南北でやろうと決めた南北交流事業を制裁違反なんか無視してやろうぜ」と読み取れました。

あまり成果に期待していませんでしたが、まさか北朝鮮から宿題をもらってくるとはね。

負担が重くなっただけ。

もう対北外交は放棄して「もう知らん!経済制裁も軍事侵攻も止めない。勝手にしろ。こっちは国内の問題に集中する!」と開き直った方が良い気がします。

その方が韓国人は幸せになれるでしょう。

米朝交渉の再開に、米国側にその意思はなく、北朝鮮側にもなし。

それが確認できた特使団訪朝だったようです。

再開されるとしたら中国が本気で中朝貿易の締め付けを始めたときでしょう。

それまでは停滞しそうです。

停滞している間、韓国がなんとか打開しようと右往左往して韓米関係を悪化させることでしょう。

やれやれです。