米中貿易摩擦 いじめっ子中国が米国に「通商いじめ」と非難

激化の一途をたどる米中貿易摩擦。

みんな米国を非難しがちですが、思いっきり国内企業を優遇して、技術をゲットして用なしになったら外国企業を追い出す排外的な中国政府の姿勢が根本的な原因です。

これを放置することは、例えるなら「1ドル360円固定相場」のように日本に超有利な状態(=米国にとっての不平等条約)を放置するようなもの。戦争の荒廃というマイナス状態の日本を立て直すための優遇措置も、十二分に成長したら公平な状態に是正するのが当然です。

中国の露骨な国内産業保護政策も同じ理由で是正される必要があるのは当たり前です。放置しては、時間とともに中国が有利になるだけです。公平な競争とは言えません。

 

もちろんトランプのやり方が正しいとは言えないかもしれませんが、あのくらいやらないと中国が排外主義全開の国内企業優遇措置をやめるとも思えない。

今後関税が長期化すると企業判断すれば、ただでさえ高騰する人件費を嫌がって海外脱出を始めている企業が、判断を前倒しして東南アジアあたりに移転していくでしょう。

米国の「中国製造2025」潰しはえげつないなと思わされます。

それにしても面白いのは中国の反応。

「WTOへの提訴も辞さない」「米国による通商いじめだ」「自由貿易と多国間主義を擁護する」「一国主義に反対する」などなど。

よくもまぁここまで恥知らずに自分を棚上げできるものです。

自分より弱い国には、「1対1で話し合うべき。他国(=米国)は介入してくるな!」と文句をいって多国間協調で抵抗されることに文句を言うのに、いざ自分が攻撃のマトにされたら、自分が文句をつけてきたやり方をそのまんまやってそれが正しいことだと胸を張る始末。

「通商いじめ」だと米国に文句を言うくせに、過去自分がさんざん通商いじめを周辺国にやってきたことへの反省はなし。

南シナ海紛争でフィリピンに対し、バナナの輸入を「検査」の名目で遅延させて腐らせる。

ノルウェーのノーベル委員会が劉暁波氏にノーベル平和賞授与したら、サーモン禁輸して嫌がらせ。

韓国にTHAAD配備に対して、「限韓令」を発動して観光客を制限し、中国国内からロッテを撤退させる。

日本には尖閣諸島問題でレアアース禁輸。

台湾に対しては軍事力もちらつかせながら札束で手なずけようとあの手この手を駆使する。

通商を使った「いじめっ子」筆頭は中国でしょう。

まぁ米国も僅差で二位くらいに「経済制裁大好きないじめっ子」と言えるかもしれませんが、対象はだいたい人権蹂躙大好きな独裁国家や、ロシアのようにクリミア併合するような無茶をする国です。

米国の通商いじめには、一応それなりに納得がいく理由があります。

中国なんてびっくりするぐらいこらえ性がない。

もうちょっと大国らしい威厳を身につけてよ、と言いたくなります。

EUも米国の圧迫に対抗して中国と連携しているように見えますが、そんな単純な構図でもありません。

ドイツの報道一つとってもそれが良く分かります。

 

中国のドイツ訪問での「中国は自由貿易を擁護してます!米国の圧迫に協調して対抗しましょう!!」演説を紹介しつつも、中国への文句もちゃんとやってます。

1:14あたりから「しかし、現実には中国は依然保護主義的」「中国に進出している企業は不利な扱いを受けていると感じている」「中国がヨーロッパでやっているように我々も中国でビジネスができれば良いと思う(=つまり不公平ということ)」「中国での生産許可を得るためにはドイツは中国側のパートナーを見つけないといけない」「中国政府の公募事業への直接参加も認められていない」「ドイツと中国はアメリカの保護主義に対抗する立場で一致しているように見えるが、今後中国がどこまで開放的となるか見守る必要がある」と、中国への不満も忘れてません。

保護主義レベル100の中国が、最近保護主義レベル30くらいに上げてきた米国に、「保護主義に反対する!」と主張しても説得力はゼロです。

トランプ大統領の通商圧迫は差別なく360度全方位に発動しているように見えますが、米国議会の姿勢はそうではなりません。中国に対してはむしろトランプ大統領より強硬的です。

それとは逆にEUや日本、カナダやメキシコなどに対しては「自重すべし」というのが米国議会の姿勢です。

この違いは非常に大きい。

米国大統領の権力が大きいと勘違いしている人もいるかもしれませんが、戦争という特殊な状況下で全権委任されている米国大統領のイメージがそうさせるだけであって、実際には議会の力の方が強い。どこぞの独裁国家と違って、ちゃんとした民主主義の国ですから。

これからもトランプ大統領が全方位に「制裁だー!関税アップだー!!」と主張するでしょうが、対中国は議会をすんなり通って、友好国には議会で却下、というケースが増えていくでしょう。

日本は、なんか言われたり関税かけられたりしても、「無反応」という対応でお茶を濁す方が良さそうです。

存在感を消しつつ、シェールガスや、牛肉・農作物の輸入を増やし、自動者の米国での現地生産比率を上げげ、貿易黒字を減らせばマトにされることもなくなるでしょう。

大変なのは中国。ただでさえ国内問題が山積なのに、米国にマトにされるとは。

これも日ごろの行いでしょうね。

マーケットが荒れるのでもめないで欲しいんですが、この通商摩擦がちょうどよいバブル潰しになって米国の長期金利が抑えられ、息の長いほどよい好景気の継続に貢献しているのは皮肉ですね。