アメリカ世界戦略の大転換 「リベラルな覇権」から「オフショアバランシング戦略」へ

「リベラルな覇権」からオフショアバランシングへ

  • 多くのアメリカ人が介入主義的なアメリカの大戦略に疑問を表明。
  • 2016年4月のピューリサーチセンターによる世論調査では、米市民の57%が「アメリカは国内問題に専念し、諸外国には、可能な限り自分で問題の対処にあたらせるべきだ」と答えている。
  • 大統領選挙でも軍事介入を批判し、民主化促進政策や同盟諸国の防衛のための支援に反対する候補が人気。(共和党のトランプ&民主党のバーニー・サンダース)
  • 25年に渡り、今の介入主義的なやり方が失敗続きなのを見て、米国国民が今のやり方を毛嫌いするのも当然。
  • アジアではインド、パキスタン、北朝鮮が核の兵器庫を拡大。中国は地域的現状を脅かすリビジョニスト国家として活動。欧州ではロシアがクリミアを編入し、米露関係は冷戦終結後、もっとも冷え込んでいる。
  • 米軍は依然としてアフガニスタンとイラクで戦っており勝利も見えてこない。
  • 指導者の多くを失ったとはいえ、イスラム過激派のテロネットワークは温存されている。
  • アメリカがイラクとリビアで体制変革を試み、一方、シリアでは手ぬるい対策しかとらなかったこともあって、アラブ世界は大混乱に陥り、カオスの中からイスラム国(ISIS)が台頭。
  • イスラエル・パレスチナ和平も何度も失敗し、二国家共存実現の可能性も遠のく。
  • 世界的に民主主義への信頼が失墜。
  • 米国のテロ容疑者に対する拷問など道義的に問題のある行動のため、人権と国際法の擁護者としての米国のイメージは失墜。
  • これらの壊滅的な事態がすべて米国の責任というわけではないが、米国が関わってきたのは事実。
  • これらは民主・共和両党が模索してきた民主主義の拡大を特徴とする「リベラルな覇権」という大戦略の失敗の結果。
  • このアプローチでは、米国が国際機関、代議政府、開放的市場、人権の尊重を基盤とする世界秩序を擁護・促進するためにパワーを行使すべきだという考えになる。
  • こうして「必要不可欠な国家」として、アメリカは世界のほぼすべての地域の政治を制御する権利と責任、そして叡知をもっているというロジックが生まれた。
  • しかし、「リベラルな覇権」戦略は、本質的にリビジョニスト型の大戦略。
  • いかなる地域でも民主化を促進し、それが脅かされているときには人権を擁護するためにいつでも力を行使することが求められてきた。
  • 失敗の連続からも明らかなように、この「リベラルな覇権」戦略は破綻している。
  • 米国はよりすぐれた代替策である「オフショアバランシング」戦略を採用すべき。
  • ワシントンは、他国の社会を作り替えるという野心的な試みの必要性をなくし、重要な課題、つまり、西半球における支配的な優位を維持し、ヨーロッパ、北東アジア、そしてペルシャ湾岸での潜在的な覇権国に対抗していくというアジェンダに専念できる。
  • 世界の警察官を務めるのではなく、台頭するパワーを牽制する役割は地域諸国に委ね、必要な場合にだけ介入。
  • この戦略でアメリカが世界唯一の超大国としての地位を失うことはないし、「アメリカ要塞に閉じこもること」も意味しない。
  • アメリカのパワーを温存することで、オフショアバランシング戦略はアメリカの優位を未来に向けて維持し、国内における自由を守ることができる。

 

全世界、津々浦々に理想主義的な自由民主主義を広めるのをやめ、無駄なコストを支払い続けるのをやめ、米国がスーパーパワーとして世界での主導的な地位を維持することに専念せよ、ということですね。

人によっては「なんて自己中でひどい奴だ」と思うかもしれませんが、第三諸国への欧米の軍事介入を応援できないのであれば、批判する資格はありません。

中東の独裁者より、先進国の軍隊による軍政の方がマシだと思えますが、それをすると新植民地主義だとガンガン批判されるわけですからしょうがない。

まぁその方が世界は平和になるかもしせん。

少なくとも米国は楽になるでしょう。

米国はパワーを温存せよ。

台頭する挑戦国家には現地の地域諸国に押し付けよ。

こうすれば米軍の若者が死ぬこともなく、財政支出が増えて米国国民の血税が浪費されることもなくなります。

(次ページへ続く)