北朝鮮の歴史操作 ~都合の悪いことは右翼に同じことを言わせる~

近頃、保守界隈で韓国叩きや在日叩きが流行しています。

なぜか?

理由は簡単。

北と総連が組織だってそれを扇動しているから。

そもそも今ちまたで言われているようなことは、10年以上前にすでに在日や韓国の知識人から似たような指摘がバンバン出ていました。

 

国籍をはく奪されたとか、強制連行で連れてこられたとか、そういう神話化した虚偽を徹底批判し、在日が特権意識を持っていることや、北朝鮮シンパになり下がった在日知識人への苦言などなど、そういったことを在日三世でもある浅川先生が著書でがっつり指摘しています。これが2006年出版です。

反日に狂う韓国へも、現在嫌韓ネトウヨさんたちが言っていることと同じような苦言を、とうの昔に金文学教授がしています。これが2002年。

中国の儒教を受け継いで民衆を苦しめる李朝時代の悪逆非道を真正面から受け止め、日韓併合は韓民族を救ったと堂々と書いている崔基鎬(チェ・ケイホ)伽耶大学客員教授の本も凄まじい。これが2004年です。

大事な共通点は、北朝鮮を盛大に非難し、韓国や在日に北朝鮮化することを戒めようとしている「建設的な批判」だということです。

一言でいうなら「反日やってる暇あるなら北をなんとかしろよ」ということ。

北朝鮮と朝鮮総連にとって、これほど都合の悪い本はないでしょう。

大事なのは、「北朝鮮ならどういう対抗プロパガンダをするか?」という視点を持つことです。

人間面白いもので、在日が在日に、韓国人が韓国人に「建設的な批判」をされるとわりと受け入れられやすいのですが、大嫌いな右翼に同じことを言われると、内容は一緒なのに受け入れ難くなるもの。

北朝鮮と朝鮮総連は、こういう人間の弱さをうまく利用してきます。

在特会のような愛国馬鹿をネット世論を巧みに利用して生み出していき、嫌韓ネトウヨを大量生産して、北を利する言論と行動をさせるのが北の基本中の基本と言える対日工作です。

すでに2000年前半で指摘されていたことを、極右に3倍くらい拡大解釈して書かせる。

さらに北朝鮮への非難は「矮小化」するか「まったく触れない」、もしくは「南北を同列化」して、いっしょくたにする。

これが鉄板のやり口です。

本当に参考になる意見というのは、こういう本でしょう。日韓併合時代を生きた韓国人の回顧録。

統治後期は独立の動きなく、とみに平穏

日本は朝鮮を合併してから朝鮮の文明開化のため努力し、朝鮮に現代文明の基礎を固めた。これは、荒廃した朝鮮を精神的にも物質的にも復興させるのが日本の国家発展に不可欠の要素になるとの判断で、自己自身が経験した西欧化作業を韓国にもそのまま施した。これは朝鮮の立場からも非常に幸いだったと言うのが正直であろう。

朝鮮が日本に合併されてから二十年後の一九三〇年ごろ、朝鮮の近代化作業は相当進展し、朝鮮人らの生活水準も向上した。海外の独立志士らは外交的にも軍事的にも何らの成果もあげ得なかった。国内で独立を主張する個人も団体も見当たらなかった。国内学生らの抵抗運動も一九二六年の六・一〇万歳事件以後は影をひそめた。たまに学生らのサークル運動が摘発されることがあったが、すべて小規模の読書サークルに過ぎず、彼らが裁判に回されても、その判決はたいてい懲役一年以内だった(解放後、朴正熈時代には学生達に十年とか無期とか死刑の判決もしばしば見られたものである)。

世は日本統治の下にとみに平穏であった。南韓で親日派を糾弾する若者達の父母や祖父母の中に、当時反日運動に挺身した者は一人もいなかったはずだ。

日本統治時代を肯定的に理解する 韓国の一知識人の回想』 P261

「日本統治後期はとみに平穏」

在日一世たちの声を大事にしよう!という人に限って、こういう声は親日派の裏切り者呼ばわりして聞こうとしません。

韓国の若者への苦言もあります。

今の若い連中は教科書や小説等の影響を受けて「当時の朝鮮人は皆、日本を敵国と見なし、ごとあるごとに命を投げ出して独立運動をした。日本の特高が全国的に監視の目をゆるめず、多くの愛国者が次々と捕えられて処刑された」という自己陶酔的な瞑想に胎っているが、これはウソである。

日本統治時代を肯定的に理解する 韓国の一知識人の回想』 P14

韓国の「検定版」教科書で徹底して子供に教え込まれている、「抗日武装闘争の神格化教育」のことですね。

行きつくところは「金日成は民族の英雄!」という意味不明なゴールです。

北朝鮮が巧妙なのは、朝鮮戦争も戦った世代の苦言なら聞く耳を持つのに、日本の右翼をうまく扇動して、「日本が韓国を助けてやったんだ!感謝しろー!!」くらいの勢いで似たようなことを言わせることです。これが実にうまい。

そもそも実際感謝されても困ります。自分がなんかやったわけじゃないですから。

「あずかり知らないことで感謝されても気持ち悪いので、当時韓国の発展に貢献した人のお墓でも探してお参りしてきたらどうですか?」としか言いようがない。

さらには従北左翼史観で脳内汚染された方々にとっては、大嫌いな右翼の言うことを聞くのは嫌なので、正論でも断固無視します。耳が貝のごとく閉じること間違いなしです。

そうやって都合の良い敵を作り出し、朝鮮学校周辺に構築した親北人士コミュニティを維持するわけですね。そこから利益を得ている、自称リベラルたちも一緒にカルト化です。

カルトの特徴は、特定の神話を信じ、神話が否定される意見は一切聞かないこと。

まぁ韓国や在日ネタの本で大事なのは、北朝鮮の政治犯収容所をはじめとした、凄まじい人権弾圧に触れているかどうかでしょう。これがない本はバックに北がいるか、脳内を従北汚染されている残念な人が書いた本か、そのどちらかです。

日本統治時代を肯定的に理解する 韓国の一知識人の回想』の著者、朴贊雄(パク・チャンウン)さんはちゃんとこう指摘しています。

親日派糾弾より北の圧政を抑えよ

これら親日派糾弾の熱誠分子らは、現時点における韓国人最大の関心事が、日帝時代の親日派索出と処罰であると心得ているようだが、僕の感ずるところでは、今の時点において韓国国民が果たすべき焦眉の急務は、北の金正日政権が十数年続けている自国民大虐殺を抑えることと、同時に金正日に物質的支援を送り続けている盧武鉉政権を糾弾追放することである(これは金大中前大統領が始めた歴史的犯罪である)。

近来、南韓の政治や社会も乱麻の如く乱れているが、餓死や獄死の例はあまりない。しかし北朝鮮の地では三百万以上の人民が餓死・獄死しており、今も毎年多くの人民が餓死または獄死している様子である。

にもかかわらず南韓の同胞らは、政府も国民もこの独裁者を早急に追放しなくてはならぬという同族愛が湧いてこない。いや、それどころか盧武鉉政権は虐殺の元凶である金正日に対して巨額の金品を送り続けて、その政権の地盤を固め、彼の自国民虐殺を支援するのに余念がない。この事実は我が国史に、恥辱的真実として残すべきである。

日本統治時代を肯定的に理解する 韓国の一知識人の回想』 P259

素晴らしい指摘です。

「今の時点において韓国国民が果たすべき焦眉の急務は、北の金正日政権が十数年続けている自国民大虐殺を抑えること」

「金正日に物質的支援を送り続けている盧武鉉政権を糾弾追放すること」

「南韓の同胞らは、政府も国民もこの独裁者を早急に追放しなくてはならぬという同族愛が湧いてこない」

「盧武鉉政権は虐殺の元凶である金正日に対して巨額の金品を送り続けて、その政権の地盤を固め、彼の自国民虐殺を支援するのに余念がない」

「この事実は我が国史に、恥辱的真実として残すべきである」

こういう意見を持った人が書いた本は、大変参考になります。

従北偽装保守臭全開の青林堂周辺の連中が書いた本で、こういうまっとうな指摘をお目にかかったことがない。

本当に拉致被害者を取り返したいなら、朴贊雄(パク・チャンウン)さん同じような「建設的な批判」を韓国や在日にすべきでしょう。

なぜやらないか?

理由は簡単。

バックに北朝鮮がいるから。

もしくはその存在に気づかずに、踊らされていることを分かっていないから。

いい加減、保守側も北の扇動に踊らされることをやめるべきでしょうね。

というかそんくらい気づけよ、と言いたい。

それにしても実にうまい。

2000年代に在日や韓国人が言っていた「建設的な非難」と同じことを、北にとって本当に都合の悪い部分は抹消した上で、右翼に韓国や在日を非難させる。

結果、建設的な批判をしてきた人たちが、同列に見られるのを嫌がって口をつぐむ。

これが北朝鮮歴史プロパガンダの真骨頂でしょうね。

実にいまいましいかぎりです。