『在日特権と犯罪』に見る詐欺師の論法 その5 ~性質まったく異なるものを比較~

前回の続きです。(『『在日特権と犯罪』に見る詐欺師の論法 その4 ~罪の軽重が狂っている~』)

今回は特徴のまったく違う母集団を比較するという、統計詐欺の手法を指摘したいと思います。

坂東氏は著書『在日特権と犯罪』の中で、日本人を「1」として、各国ごとの犯罪検挙率を算出しています。

その内容はこれ。

 

ちょっとごちゃごちゃしているので、簡単に申し上げますと、日本人が検挙されるのは国民全体(1億2538万1113人)のうち0.239%(29万9645人)ですね。

その上で、各主要国で同じように計算し、出てきたパーセンテージを日本人の「0.239%」で割ると、日本人を「1」とした場合の各国の倍率が出てくるというわけです。

……で、隣国出身者の割合を「来日」「在日」の別で見てみますと、

●中国人
  総合 ~ 日本人の4.05倍
  来日 ~ 4.74倍
  在日 ~ 2.77倍

●韓国・北朝鮮籍
  総合 ~ 日本人の3.24倍
  来日 ~ 4.23倍
  在日 ~ 3.05倍

……となります。


ちょっとやばいのがベトナム人で、総合で日本人の7.00倍、来日で7.55倍、在日で3.67倍という数字が出ています。

アメリカ人やフィリピン人、タイ人は、刑法犯だけなら日本人より検挙される率が低かったのですが、入管法や麻薬取締法(麻取法)、覚せい剤取締法(覚取法)、銃砲刀剣類等所持法(銃刀法)などの特別法犯を含めると日本人より検挙される率が高くなります。

在日特権と犯罪』 P157-159

無批判に見ると、「外国人犯罪率はめっちゃ高いじゃないか~~~っ!!」、と思ってしまう内容となっています。

ここでも重要なのは母数の特徴です。

ここで、在日や来日の年齢別構成比を見てみましょう。

ソースは坂東氏が著書で一次データとして使っている、政府統計データを使います。「在留資格別 年齢・男女別 在留外国人」というファイルから、「在日」と「来日」を年齢別にグラフにしました。(サイト:http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&listID=000001133760

※グラフ化にあたり見づらくなるので「80歳以上」と「年齢不詳」は除外

・「来日」外国人の年齢別人口

・「在日」外国人の年齢別人口

 

見てわかると思いますが、子供と高齢者が少なく、成人層が突出しているいびつな年齢構成になっています。

来日などもっと顕著です。20代から40代までがナイフのごとく突出しています。

常識的に考えれば分かると思いますが、子供や高齢者に、強盗、強姦、暴行、車両窃盗などなど、凶悪犯罪をすることは物理的に困難です。

坂東氏は、「日本人が検挙されるのは国民全体(1億2538万1113人)のうち0.239%(29万9645人)」と、日本人の場合は子供も高齢者も入れて検挙率を出しています。

比較相手は、極端に成人層が突出しています。

明らかに母集団の特徴に違いがあるものを比較しても、統計的に参考になるデータが得られるはずがない。

坂東氏が問題視しているベトナム人の年齢構成も見てます。

(※残念ながら国籍別になると、在留資格別に「在日」「来日」を区別できない)

(出典:「国籍・地域別 年齢・男女別 総在留外国人」 サイト:http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&listID=000001133760

見てわかるように、凄まじく年齢構成がいびつです。

さらに言えば、ベトナムは20代の男女比もかなり偏っている。

※左が男性、右が女性
23歳・・・5773 : 3388
24歳・・・6118 : 3330
25歳・・・5016 : 2482
26歳・・・4103 : 2047
27歳・・・3302 : 1840
28歳・・・2503 : 1488
29歳・・・2303 : 1549
30歳・・・2044 : 1408

在留ベトナム人は、女性に比べ、男性が倍近くになっています。

年齢と同じように検挙数を比較するなら、男女別に分けて比較するのは必須です。

なぜか?

日本人検挙率の男女比を見ればわかります。

日本人では平成26年の検挙数のうち女性の検挙数は、総数251,115人に対し、うち51,461人が女性となり2割程度です。

検挙数の男女比は、だいたい8:2となります。

つまり、男性は女性に比べ4倍も犯罪率が高い。

(出典:https://www.npa.go.jp/toukei/soubunkan/h26/pdf/H26_02.pdf P6)

これは日本人特有の特徴ではなく、万国共通でしょう。

在留ベトナム人の男女比は、男性人口が女性に比べてかなり多い。

それも(言い方が悪いかもしれませんが)犯罪する元気のある20代で差が著しい。

このような特徴を持った母集団と、老若男女すべてひっくるめた日本人全体の検挙数比率を比較しても何の参考にもなりません。

日本人に比べて外国人犯罪が多いかどうかは、少なくとも年齢別と男女別にそれぞれ比較しなければいけないでしょう。

坂東氏をレイシスト呼ばわりする気などまったくありません。

純粋に、統計詐欺はダメですよ、というだけです。

まぁただ、これまで指摘した誤りを是正したとしても、おそらく日本人より犯罪率は高いのではないかと予想しています。

ただし、坂東忠信氏が書いているような3倍~4倍という数値にはならず、1.5倍とかおおくて2倍とか、その程度かなと予想しています。

国によっては日本人より少ないかもしれませんね。特に厳しい条件をクリアしないと取得できない永住権取得者(=在日)の人なんて、日本人より犯罪率は低そうな気もします。

特定永住者は逆で、犯罪歴があったり素行が悪いと帰化できませんから、結果的にやっかいな人が残っていきます。それも検挙数の上振れ要因でしょう。

そもそも日本人の素行がよく、犯罪率が異様に低いだけの話し。

仮に、日本人が治安の悪い国に万単位で移住したとしたら、現地人より犯罪率は低くなると思います。外国に移住したとたん、現地人と同じように日本人が犯罪に手を染めるようになる方が驚きです。

逆もしかり。日本より犯罪率の高い国から日本に来るのに、日本に来たとたん日本人並みに犯罪をしない善良な人間に変わるほうがありえない。犯罪率10の国の人間が、犯罪率1の国に移住したら、現地人に比べ当然犯罪率は高くなるというだけ。何も驚くことはない。太陽が東から昇って西に沈む、という話と変わらない。

大事なのはその違いを飲み込んでどう管理していくか、という視点を持つこと。

そのように常識で考えれば当たり前のことを、ことさらセンセーショナルに煽るのは捏造・扇動であり、己の無知と見識の低さを露呈するだけ。

これをもってことさらヘイトスピーチだの差別だのと言うつもりはなく、純粋に虚偽は虚偽であり、捏造は捏造であり、印象操作は印象操作だというだけです。

こういうおバカな印象操作をする輩がいるせいで、無用な外国人差別を生み、不要な軋轢を生じさせる原因となるんですよね~。

外国人犯罪撲滅に必要なのは、法を守って日々生活している善良な外国人の協力です。このような悪意に満ちた印象操作をしていては、その善良な外国人からそっぽを向かれ、結果的に外国人犯罪を助長するだけでしょう。

坂東氏は、著書のまえがきでこう述べています。

もともと私は日本国内の中国人関連問題が専門でしたが、保守論壇末席の一人を自認する外国人犯罪対策講師ですので、私はその実態を確認し問題を明確にすることを引き受け、早速調査を開始したのです。ところがPTが警察庁や法務省などの官僚を交えて問題点を洗い直していた同年19一月、突然の衆議院議員解散選挙によりPTメンバーの5人の議員先生全員が議席を失ったため、議員でない私の席もPTもろとも自然消滅。その後も「在日特権」に絡む保守側とカウンター側のデモは、検挙者が出るなど過激化していきました。

そんな中で国民の福利厚生と外国人犯罪問題に関心が高い自民党衆議院議員の長尾敬先生のご協力により、これまで(なぜか)非公開とされていた「在日」外国人犯罪の検挙状況やその他の資料の確認ができたことで、その全体像が見えてきたのです。それはどのようなものなのか? ・・・驚きと怒りのあまり本書を引き裂いたりしないようご注意ください。

在日特権と犯罪』 P3

「保守論壇末席の一人を自認する外国人犯罪対策講師ですので、私はその実態を確認し問題を明確にすることを引き受け、早速調査を開始した」

こういう統計詐欺をする人間に、データ分析させたらダメです。

やっかいなのは長尾敬議員からデータをもらったと名前を出しているところ。朝鮮学校の問題点も知っているし、中国の臓器狩り問題を取り上げたり、そういうまっとうな活動をしている議員です。

その議員にこういう詐欺師を近づけて、左翼界隈で「あいつもレイシストだ~!」と印象操作をするんでしょう。本当にやっかいです。

昨今の森友学園問題で籠池さんというロクデナシを安倍総理に粘着させ、自爆テロ式に巻き添えにする方法と似ています。

炎上させられる前にこういう詐欺師とは縁を切るか、厳重注意して訂正・謝罪させた方がいいでしょうね。

そもそも外国人犯罪が増えているという認識が誤りです。

警視庁発表の『来日外国人犯罪の検挙状況 – 警察庁』を見ると、来日外国人の検挙数は、みるみる減っています。

来日外国人の検挙数がなんと驚くなかれ、平成17年(2005年)をピークに、三分の一になっています。

10年で、三分の一です。

劇的な改善と言えます。

「お巡りさん素晴らしい!この調子で頑張って!!」

外国人犯罪の問題など、この一言で終了です。

坂東氏のようにわざわざ外国人犯罪が増えているような扇動を、統計詐欺を駆使してやるなどありえません。

そんな暇があるなら古巣の警視庁の尽力を褒めたほうが建設的です。

こういうことを書くと「在日枠を隠蔽していたことが問題なんだ~!」という輩があらわれそうですが、そんなもん日本で生まれ育った三世、四世の特定永住者と、狭き門をくぐらないと取れない永住権取得者をわざわざ日本人と分けて外だしする必要性がないだけでしょう。

つまり坂東氏の、「これまで(なぜか)非公開とされていた「在日」外国人犯罪の検挙状況」という意見は、なぜもくそも日本人と大して変わらないからではないでしょうか?

もちろん年齢別、男女別に比較検証しないと何とも言えませんが、まぁ顕著な差はでないでしょうね。

もし顕著な差があるなら、警察庁も問題視してますよ。

「在日」外国人に注目する必要性がないからこそ、「来日」外国人のみ検挙状況は詳細なレポートが出ているわけです。警察はそんなに怠慢じゃないですよ。(参考:『来日外国人犯罪の検挙状況 – 警察庁』)

むしろ、こういう統計詐欺を駆使して扇動をする坂東忠信氏のような輩がいると、警察に無用な負担をかけることになるわけです。

問題ないことをわざわざ人と時間かけて調査し、特に問題ないことを証明させられる。

超うざい。

お巡りさんも大変ですね。

愛国だの保守だのの前に、数値を冷静に分析する基本的な能力を身につけてほしいものです。

まだまだ続きます。次回で最後の予定。

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